園だより
2022.08.29
食育~給食のおはなし②
私の話はともかく、幼稚園のことを書きます。
結論から言いますと、幼稚園での給食(食育)の目標は「完食」ではありません。
もちろん、完食すれば「おっ、たくさん食べれたね!」と子どもを褒めます。
でも、完食をしなくても「おっ、嫌いなものも少しでも食べれたんだね!」と、やはり褒めます。
あまり食べなくても「じゃぁ、次はまた一緒にチャレンジしてみようね!」と、ポジティヴな声掛けをします。
要は、何よりもまず「食べるって楽しいね!」ということを、子どもたちには伝えたいのです。
「食べる=喜び」ということを伝えたい。
これが高田幼稚園の食育です。
そのことがいつか、食べもの(いのち・関わってくださる方々)に対する「感謝」につながってくれたら嬉しいです。
嬉しいですが、幼児教育の要は「結果を求めない」「結果を出すというところに価値を置かない」「すべてが人生における大切なプロセス」ですから、「いついつまでに」とか、「大人になったらそうなっていることを願う」などとは言いません。
幼稚園のうちに、卒園するまでに(小学校へ行くまでに)完食できるように、感謝の気持ちを持てるように、とも考えません。
そもそもタイムリミットを設けるようなことではないからです。
園長の思いを押し付けたりはしません。
いつか。
子どもたちがそう思うきっかけになってくれたら、嬉しいよね、と。
「嫌いなら食べなくてもいいよ」も言いませんし、「食べたくないの?」という問いかけはしませんし(どちらかと言えば「食べてみる?」ですね)、可能であるならチャレンジしてほしいですし(そのチャレンジが喜びにつながるように)、
でも、だからと言って「完食させる=食育」ではないのです。
幼稚園は「立派な大人になる」ために通うのではなく、
子どもたちが「幸せを求めて生きる」ためのスタート地点付近です。
ですから、伝えたいのは「生きる喜び」なのです。
例え私のように好き嫌いが多くても、少しずつ少しずつ「食べる」が「喜び」につながってくれたら楽しくて幸せだろうな…と考えています。