園だより
2023.02.16
あそびの祭典
写真は、リハーサルの合間のリラックスした桃組さんたち。
音楽に合わせて、歌って踊っています♪
さて、
「これから生活発表会をどんな形で進めていくのか」このことを何年も考えてきた。
きっかけは何年も前、「生活発表会の練習が嫌で幼稚園に行きたくないと泣くんです…」という保護者さんからの相談だった。
もちろん、泣く子ばかりではない。
それに、そもそも泣くことは悪いことじゃない。
感情を大いに表現しているのだから、否定することなくそのまましっかり受け止めたい。
でも、でも、でもなのだ。
このときの涙は、私には「せんせい、この気持ち分かってよ~!」という子どもの心の叫びのように感じたのだ。
叫んでいる子がいるのなら、私も本気で、全力で受け止めたい。
この世に、同じ人間は一人もいない。
一人ひとりが、自分の意志を持って生きている。
その子どもたちを、一つの価値観、一つの枠、一つの型に縛り付けたり押し込んだりするのはどうしても嫌だった。
そもそも、子どもは「自由」を一番得意としているのだ。
その自由を受け止めてもらえる場所でこそ、本領を発揮するはずだ。
そして、その場所は、幼稚園でありたいと思っている。
しかしここで、常識人=大人であろうとする私が、再三邪魔をしてきた。
生活発表会は園の一大行事であり、その時点での園生活の集大成。
保護者さんの期待にも応えたい、でも無理強いだけはしたくない…
じゃぁどうすれば、すべての子どもたちが楽しんで取り組めるのか。
自由に羽ばたけるのか。
私は答えを探し続け、そして見つけた。
答えは私の中ではなく、私の目の前にあった。
ずっと前から、そこにあった。
私たち大人が何もしなくたって、何も言わなくたって、子どもたちはいつだって、お姫様やプリキュア、仮面ライダーやウルトラマンに変身しているじゃないか!
そうか。
これは大がかりなあそびだ。
生活発表会は、あそびの祭典なんだ!
難しい理屈も厳しい指導も必要ない。
私たちに必要なことは、ただただ、子どもたちが安心して遊べる環境を用意し、そして子どもたちと一緒になって、夢中になって遊ぶだけだったんだ。
子どもはあそびの天才だ。
自由に羽ばたく天才だ。
舞台の上で、衣装を着て変身し、夢中になってあそぶ子どもたち。
これこそ幼稚園の真骨頂。
あぁ、なんで今まで気がつかなかったんだろう。
一番とらわれていたのは、誰でもなくこの私だったのだ。
さぁ、今回も大いにあそぼうじゃないか!
保護者の皆さま、明日の発表会お待ちしています。
子どもたちが自由に羽ばたいている姿を見て、楽しそうだなぁ、うらやましいなぁと思っていただけたら何よりです。