園だより
2024.03.18
卒園式を前に
気がつけば、今日は卒園式。
2月に入ったあたりから、ゆっくり呼吸した記憶がない。
と言ったら少し大げさだが…時間がものすごいスピードで過ぎていることだけは確かだ。
いつも思う。
もっともっと、子どもたちとゆっくり過ごせば良かった。
「せんせい、ドッヂボールやろう!」「うん、後でね…」
「せんせい、オセロやろう!」「うん、後でね…」
「せんせい、ちょっとこっちにきて~」「うん、後でね…」
幼稚園にいて、子どもたちの呼びかけに応える以上に大切なことなんてあるのか。
忙しい?
どんなに忙しくても、子どもたちとオセロの真剣勝負するより大切なことなんてないはずだ。
なのに…
私は昨日の自分に、一週間前の自分に、一ヶ月前の自分に怒ってやりたい気持ちだ。
我々は、いつも崖っぷちに立っているようなもの。
明日の、いや、一瞬先のいのちの命の保証すらままならないのに「後でね」とよく平気で言えたものだと自分に言いたい。
今、そのことをとても後悔している。
後悔しているが、これから先も後悔しないことなんて多分ないと思うが、そのことは子どもたちには内緒にしておこうと思う。
子どもたちには「ありがとう」とだけ伝えたい。
そして「よっしゃ!いっちょ元気出して小学校行ってらっしゃい!」と笑顔で送り出したいと思う。
これからさらに高く高く羽ばたく子どもたちを、涙で引き止めたくはない。
しっかりと背中を押すことができれば。
これが、我々の最後の大切な仕事であるのだ。
うん。
卒園生一人ひとり、この子たちと出会うことができて本当に良かった。
幸せをいっぱいもらった。
思い出もいっぱいプレゼントしてくれた。
私たち職員の人生を、より豊かに輝くものにしてくれた。
ありがとう、子どもたち。
今は振り返らず。
ただ前を見て。
胸を張って、空高く舞い上がっていくのだよ。
大切な、大切な子どもたち。
どうかこれからもずっとずっとずーっと、元気に無事で過ごしてほしい。
立派になんてならなくてもいい。
ただただただただ、元気に無事で。
ただただただただ、そのことだけを、願う。