園だより
2024.07.16
虐待は、あってはならない
幼稚園とは直接関係ない話題なのですが…書かせてください。
先日、新聞記事を見てとっても驚きました。(写真参照)
なぜ驚いたかって…虐待そのものが許されることではないから、というのは当然のことですが、私が幼稚園に勤める前までずっと一緒に活動してきいたミュージシャンの方が、かつてこの病院に入所されていたからなのです。
その方は残念ながらお亡くなりになられているのですが、こちらの病院にはバンド練習で本当によく通いましたし(以前の建物には音楽室がありました)、その方との思い出の場所でもありました。
だから、こういう形で思い出すとはとても残念です。
しかし、私の思いはもう一つあります。
それは「後悔」です。
実はその方と一緒に活動している当時から、こういったお話は聞いていたのです。
幼稚園に勤める前のことですから…もう10年以上前のことになるでしょうか。
当時その方からこういった事情を聞くのは何だか苦しくて、また、私にできることなんて何もないと思い込んでいましたから、「そんなに愚痴をこぼしても仕方ないじゃない。きっと病院の方たちも大変なことがあるんだよ。お互い様だし、お世話になっている以上、文句を言って、嫌なら出て行け!みたいなこと言われてもつまらないじゃない。どこにいても100%満足するなんてことはないんだからさ、話はいつでも聞くから、我慢しようよ」なんて答えていました。
今思うと、私の浅はかさに後悔してもし切れない思いです。
大切な友だちのために出来ること、たくさんあったはずです。
私は何もしなかったなぁ、できなかったなぁと思うと、その方に「本当にごめんなぁ」とただただ謝るばかりなのです。
残念ながら、こちらの病院では虐待があった。
「いのち」に価値が付けられ、その尊厳が守られることもなく、尊重されることもなく、たくさんの方が深く傷つけられていたという事実があった。
とても痛ましいことですし、人の道に外れること、人として恥ずべきことです。
こういったことが起こると、ハッとするのです。
幼稚園はどうだろう?
子どもたちに価値を付けてはいまいか、尊厳は守られているのか、気持ちは尊重されているのか…
子どもたちは本当に、幼稚園という「見えない場所」においても大切にされているのか。
今回のことは、決して他人事ではありません。
もう一度、我が身に問おう。
もう一度、乳幼児教育・保育に関わるすべての一人ひとりが、我が身に問おう。
胸を張って言えるのか、園において「子どもの尊厳は守られている」と。
他人事ではなく自分事として、自分の園を、自分自身をしっかりと確かめよう。
もう二度と、虐待はあってはならないことなのです。
絶対に。
それがどんな場所であろうと。