園だより
2025.01.27
できる・できない
私たちには皆、できることとできないことがあります。
それは、大人にも子どもにもあります。
私にもあなたにもあります。
「なんでこんな簡単なことできないの!?」とつい言っちゃうことがありますが、そんな人にも「こんな簡単なことができない」ところがあったりします。
そこで、喜んだり、落ち込んだり、優越感に浸ってみたり、誰かを責めたり軽蔑したり…するのが人間なのでしょうね。
人間にはそういう性質があるのです。
私やあなただけでなく、人間皆に、そういう性質が備わっているのです。
そこで、多くの人が勘違いしていることが一つあるように思いまして。
できる=良いこと
できない=悪いこと
こう思い込んでいる人が多いのではないでしょうか。
そして、できない人を責める向きの多いこと多いこと。
私たち人間は、例え私たち一人ひとりにその意識がなかったとしても集団で生きているのです。
集団で支え合って生きているのです。
お互いのできることとできないことを組み合わせながら、力を合わせて生きているのです。
「私は一人の力で生きています!」
そう思うのは自由ですが、実際には、いのちというものは他の命と支え合いながらでないと存在できないのです。
一人で生きている人は、一人もいないのです。
できることは、ただそのまま、「できること」です。
良いも悪いもありません。
できないことは、ただそのまま、「できないこと」です。
良いも悪いもありません。
できないことをできるようになりたければ、自分で考えてみたり先生に教えてもらったり努力をしてみたり…すれば良いのですが、でもそれでも、できないこともあります。
でもそれも、良いも悪いもありません。
いつかできるようになる、それもとても嬉しいことですし、かと言ってできるようにならなかったとしても、それで本人の価値が下がるようなことではありません。
できる=良いこと
できない=悪いこと
そんな風に思い込むから、誰かを責めたりバカにしたりするようになるのです。
それも人間の性ではありますが…少し寂しいように思いますね。
温かさや豊かさとは違う、冷たい世界のように思います。
あくまで私の印象…ですが。
結局何を言いたいのかって…
大切なことは「できる・できない」ことと、その人(いのち)の尊さは分けて考えてほしいということです。
できない大人はダメな大人じゃない。
できない子どもはダメな子どもじゃない。
この部分を混同しないでほしいということなのです。
できるところも、できないところも、その人の尊い姿、大切な姿です。
特に、教育・保育に関わる方々には、このことを忘れないでいてほしい。
私自身も、忘れないでいたい。
長々と書きました。