園だより

2025.02.12

不審者訓練

先日、1月31日に行った不審者訓練の様子(動画)を園Instagramに投稿したところ、思いもよらずたくさんの反響をいただきました。
いただいたコメントの中に厳しいご意見も多々ありましたことから、保護者さまよりご心配いただく声もありました。
ですので、園としての思いを書かせていただきます。

まずは改めて、視聴いただいた皆さま、コメント等いただいた皆さま、またこれを機会にフォローいただいた皆さま、ありがとうございました。
コメントへの返信やフォローをお返しすることはしていませんので、どうかご理解のほどよろしくお願いいたします。
いただいたコメントはすべて、大切に読ませていただきました。

当園では、不審者訓練を一回一回単独で完結するものとは考えておらず、地震や火事を想定した避難訓練等も含めトータルで考えています。
その中で、今回は特に「先生向け」というニュアンスが強い訓練の一部を動画配信させていただきました。
配役としては、私園長が不審者(怪我をする可能性があるため、管理職がします)、そして経験の浅い教諭を何名か指名し、内容に関しては事前に何も伝えずに訓練を始めます。
園長は早く歩き回るなど、あえて対応しにくい状況を作ります。
その理由は「失敗させるため」です。

高田幼稚園の各訓練は「職員に失敗させるため」に行うところからスタートします。
職員には「訓練は失敗していいから、それぞれが自分で考えてやってみて」と伝えています。

訓練後は各職員が反省点を書き出し、課題を抽出し、次回の訓練時にはその課題が改善されるように進めます。
それは「上司や先輩に゛こうやれ”と言われたからする」のではなく、職員一人ひとりに、自分で考えてほしいからです。
「自分で考える」癖をつけてほしい。
教育・保育、特に幼児教育では、教諭には「自分で考える力」が必要です。
そうでないと「いつもこのやり方でやっているから」と園の段取り等が優先され、目の前にいる子どもたちの姿、成長を見ようとしないからです。
例えば先生の言うことを聞かない子がいたときに「なぜだろう?」と考えることができなければ、「この子はこういう子だから」と決めつけ、その子の気持ちや成長の姿に思いを寄せることなく、一方的な大人の正義で子どもたちを傷つけることになるからです。

「正義」は、子どもたちを深く深く、本当に深く傷つけるのです。

また、多くの人は…あえて「特に今の時代は」と言います。
「対峙」する経験をほとんどせずに大人になることが多い。
世の中があまりに手厚いからです。
今の時代、子どもたちは「手厚さ」と言う名の「大人の介入」によって問題に向き合うという経験すらできない、喧嘩すらできない…まま大人になるということがあります。
ですからまず、当園の訓練では、職員にはその経験をしてほしいと思っています。
すると、ほとんど何もできない自分と出会うことになります。
そこがスタートです。

「職員がニヤついている」というご意見もいただきましたが、それは真剣でないからではなく、恐怖からではないでしょうか。
不審者が園長だと分かっていても、先生たちは怖いのです。
私も、本当に恐怖を感じたとき、どうしたら良いのか分からないとき、ニヤつくしかなかったという経験が何度かありますから、きっとそうなのだと思います。
現場は、とても真剣なムードでした。

幼稚園は、とてもクローズな空間です。
保護者さんたちは、基本的には子どもが登園した後は何が起こっているのか分かりません。
何か言うと「クレーマー扱い」されると心配され、意見を出されることを遠慮される方もいらっしゃいます。
「我が子がお世話になっているから」「我が子が迷惑をかけているから」と、言いたいことを我慢されている方もいらっしゃいます。
ですから、不適切保育なども起きやすいのです。
幼稚園という場所が、基本的には「閉じられた空間」だからです。

私たち幼稚園には、いつもオープンであろうとする姿勢が求められます。
そういった日々の中で、今回のように厳しい意見などもいただけるということは、オープンであるためには必要なことですし、とてもありがたいことだと思います。
とは言え、正直なところ厳しいご意見に「うぅぅ…(涙)」となる自分もいるわけですが(苦笑)、それも大切な子どもたちを守るための糧になると思えば、素直に聞くこともできるから不思議なものです。

皆さまからのご意見、叱咤激励の数々、大変参考になりました。
自分たちの反省に加えて、次回への課題とさせていただきます。

ただ、事件や災害はいつ起こるか分かりません。
「次回は…」などとのんびりしていると、子どもたちを危険に晒すことになってしまいます。
そのこともよく心に留めながら、今後も子どもたちのいのちと生活を守るために職員一同精進して参ります。

この度はありがとうございました!
これに懲りず、今後とも高田幼稚園を、世界中の子どもたちをよろしくお願いいたします!

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