園だより
2020.08.20
映画『火垂るの墓』
8月15日にはテレビで『火垂るの墓』が放映されるイメージがあったのですが、ここ何年かは放映されていない気がします。
ですので、後日DVDを借りまして、我が子と一緒に見ました。
(戦時中のお話なので、残酷だと思われるシーンもあります)
登場人物である「せつこちゃん」が栄養失調からお腹を壊し、「びちびちやねん」というセリフがあるんですね。
映画を観た翌日、6歳の息子は面白がって「びちびちやねん」を連発していました。
子どもがそういう表現を面白がるのも分かるのですが、何回も何回も…これはちょっと茶化し過ぎかなぁと思ったそのとき、息子はふとどこでもないところを見つめ、声のトーンを落として「なんや、かわいそうなはなしやったなぁ」とつぶやきました。
うん。
戦争ってきっと、悲しみや苦しみしか生み出さないんだよね。
それは誰もが分かっているはずなのに、私たちは戦争を繰り返している。
最初に戦争を始めたのは、私たちではなかったかも知れない。
私たちは最初は、戦争の犠牲者だった。
でも、たくさんの犠牲の上に与えられた平和な日々の中で、この日々がどこから来たものなのかをすっかり忘れてしまったのか、また戦争を始めるようになった。
得るときにはたくさんの犠牲と時間を伴うが、失い忘れることに時間はそう必要でない、そういう私たち。
手に銃を持っていなくても、ナイフを持っていなくても、私たちは言葉や行動で十分に相手を傷つけることができる。
自分勝手な心を持っているから、いつも誰かを、何かを悪者にしている。
誰かを、何かを責めては、自分が正しいということを証明しようとしている。
自分勝手な心を満たそうと必死になってもがいている。
誰かを傷つけて満たされる心なんて、この世のどこにもないことも知らないで。
私の戦争を終わらせることができるのは、私しかいない。
どうすれば、終わらせることができるのだろう?
それを日々考えることが、21世紀を生きる私たちの大切な課題なのだと思う。
大変な世の中だけど、希望を持って生きていこうね。
明日につながる涙は好きだけど、でもやっぱり笑っているときが一番幸せ。
『火垂るの墓』を見ながら、そんなことを考えていました。
あと無性に、トマトが食べたくなりました。