園だより
2020.10.01
加点と原点
私たちは減点方式で考えることが得意です。
「あれができない」「これができない」「こういうところがダメ」「こういうところもダメ」云々。
この状況を改善しようと思ったら、「これも」「あれも」といろいろがんばらないといけない状況を作ることになります。
そもそも、私たちはそんなにたくさんがんばれるものなのでしょうか。
がんばれないことを無理にがんばろうとすればするほど、ゴールが遠くなるような気がしますね。
もちろん、努力や積み上げは大切です。
でもそれは、「自ら気づく」ことが大前提。
「やらされている」うちは、努力や積み上げもあまり…効果はないように思います。
とりわけ子どもに関して言えば、大人の手が介入(干渉)すればするほど「やらされている感」が強くなり、主体性を失い、指示待ち状態になり、やる気も失い、もちろん大人の言うことも聞かなくなり…「自ら気づく」とは真逆の道を歩むことになるような気がします。
その状態の子どもを責めるのはお門違いというものですよね。
だって、元々は大人の過干渉が原因なのですから。
そして過干渉の原因はと言えば、ほぼ間違いなく「減点方式」という考え方によるものだと思います。
つまり、「できない」という目線からスタートしていることによるものです。
「できない」とは、「できると信じていない」と言い換えることもできます。
「加点方式」は、我々にとってはなかなか苦手とするところですね。
なぜなら、まずは「できて当たり前」という考えから脱する必要があるからです。
「男の子なら(女の子なら)できて当然」「この年齢ならできて当然」「うちの子ならできて当然」…以下略。
「できるようになったこと」「あなたのステキなところ」などなど、例えば目の前にいる子どもに関していくつ言うことができますか。
チャレンジしてみて愕然とするのは、思ったほど言えないことです。
きっと最後はこじつけみたいなことを言い出すかも知れません。
自分にとって宇宙一大切な子のステキなところを思ったほど言えないなんて、なんだか少し寂しいような気がします。
どうやら「加点方式」には練習が必要なようです。
我が子のことをはじめ、世の中のいろいろなことを「加点方式」で考える練習を日々してみる必要が。
それがいつか習慣になるまで。
「加点方式」⇒「脱 過干渉」⇒「子どもの主体性の育み」⇒「自ら気づく子」「自ら選択する子」「自ら発見する子」⇒「努力・積み上げ・自ら考える力・生きる力の基盤 等々」
幼児教育では、まずはここまで。
書けば簡単ですが、そう理想通りには…いえいえ、そんなことはありません。
相手を変えるのは困難ですが、自分が変わるのは、自分次第です。
ねぇ、園長先生。
と、自分で自分に問いかけてみる(笑)
運動会で一生懸命にがんばる子どもたちを見ながら、自問自答する私です。
減点方式が得意な理由は、いつも「比較」して生きているからなのかも知れないですね。
おっと、いつもながら話が長い(汗)
この話はまた別の機会に。